液体マスフローメータで液体の質量流量を測定、後段の気化器で全量気化させる方式。
直接気化方式の基本原理
液体マスフローメータで質量測定し、気化器内蔵のコントロールバルブで流量制御した液体を連続的に気化室に導入。気化室では瞬時に液体を連続気化します。質量制御は液体ですが、瞬時に気化すれば気化後の気体質量も同一である為、瞬時に連続的に気化出来る気化器であれば液体マスターの質量流量=気化器出口のガス質量流量となります。
気化濃度の要素をMFCで直接制御する方式なので安定性に優れ、バブリングには難しい高濃度気化も可能です。
特長
- 温度管理ポイントが少ない
- 流量を直接制御するため精度および安定性に優れる
- 減圧、常圧条件でも気化供給可能
- 大流量を気化供給が可能
気化器製品一覧
キャリアガス気化器
流量コントロールされた液体とキャリアガスを加熱する事で、液化ガスの分圧比率を下げて安定的な気化供給を行う気化器。
- H2O最大気化量:0.5g/min
- TEOS最大気化量:0.7g/min
- 最高加熱温度:160℃
- H2O最大気化量:1.0g/min
- TEOS最大気化量:10g/min
- 最高加熱温度:200℃
- H2O最大気化量:5g/min
- TEOS最大気化量:20g/min
- 最高加熱温度:200℃
- H2O最大気化量:5g/min
- TEOS最大気化量:20g/min
- 最高加熱温度:300℃
- H2O最大気化量:5g/min
- TEOS最大気化量:30g/min
- 最高加熱温度:200℃
- H2O最大気化量:15g/min
- TEOS最大気化量:50g/min
- 最高加熱温度:300℃
- H2O最大気化量:7g/min
- 最高加熱温度:200℃
- H2O最大気化量:15g/min
- 最高加熱温度:200℃
ノンキャリア気化器
キャリアレスでありながら、圧力変動の少ない連続的な気化が可能なノンキャリア気化器。
- TEOS最大気化量:5g/min
- 最高加熱温度:150℃
- H2O最大気化量:5g/min
- 最高加熱温度:200℃
関連製品
気化器の特長とオプション
高効率気化
液体流量制御した液体ノズルと、キャリアガスノズルがの二流体ノズルでベンチュリ効果が発生。液滴を直下の気化室に噴霧する事で液滴になるような微小流量でも気化室に安定的かつ連続的な液体供給を実現しました。微細化したミストは気化室からの輻射熱と、気化室側面に接触する事で高効率で気化が可能になります。
微小流量気化
マイクロオーダーの微小流量制御は非常に繊細です。その為、流量調整を行うコントロールバルブは微細な設定が可能なピエゾアクチュエータが望ましく、制御部から気化室までのデッドボリュームが小さい物が必要です。
最高使用温度300℃
CVDやALDでは、沸点200℃以上の低蒸気圧の有機金属を気化供給する要望が多くあります。リンテックではAuシールと断熱構造により、メンテナンス性と耐熱性を両立した気化器を開発しました。
メンテナンス性
気化器の寿命は材料の物性と純度に大きく左右されます。その為、気化原料によっては定期的なメンテナンスが必要となります。リンテックの気化器メンテナンス性を考慮した設計をしており、メンテナンス費用を抑えています。
バルブ近接構造
気化室直近に液体流量コントロールバルブを有している製品です。液体マスフローメータの流量信号から気化器直近のコントロールバルブを制御。気化室に導入する流量を制御する為、デッドボリュームが小さく気化の応答性も高まります。
複数液流量制御バルブ
気化室直近に液体流量コントロールバルブを複数搭載する事で、別々の液体を同時又は交互に気化室に導入、気化する事が可能です。
バルブレス構造
気化室直近に液体流量コントロールバルブを設置しない気化器です。既にお持ちの液体流量コントローラや、C.F.を必要としないコリオリ式液体マスフローコントローラとセットでの使用が可能です。
大流量気化
輻射熱の効果を最大限活かすため、気化室を独自構造で長尺にする事で大流量気化を実現しました。
省スペース
面間78㎜のコンパクト気化器。マスフローメータと直列に使用しても面間203㎜の省スペース設計。